横浜市代読代筆サービス開始

横浜市代読代筆サービス開始

お知らせ

10月1日から横浜市の事業としてスタートしました、「代読・代筆サービス」についてのお知らせです。すでにホームページなどでご存じの方も多いとは存じますが、浜視協の担当役員として皆様にご連絡します。

横浜市の健康福祉局障害自立支援課居宅サービス担当から、市内の事業所向けに文書が発出されました。

「 さて、居宅内での代読・代筆の支援について本市では、これまで他の家事援助の時間の中での対応のみを認めていましたが、令和3年10月1日から、代読・代筆の支援のみが必要である方に対しても、家事援助においてサービス提供を可能とするよう拡充しますので、お知らせします。」という文書から始まるものです。

1 サービス概要について

(1)対象となる利用者
家事援助の支給決定が可能な方で、代読・代筆の支援が必要な方。つまり、現在家事援助を受けている視覚障害者は、対象者です。現在福祉サービスを受けていない方で、「代読・代筆サービス」を受けたい方は、障害福祉サービスの申請をして、利用計画を作り、その中の家事援助の支給を加えてもらうようになります。
※同居家族がいる場合であっても、視覚障害当事者がさーびすを希望する場合は利用することができます。

(2)標準時間
原則、週に一回30分です。ひと月に2時間で、まとめて2時間希望することもできます。例えば、1時間半の家事援助を受けている場合、プラス30分コープやネット通販の注文書などの読み書き時間として付け足すことも可能です。月2時間の範囲で、1時間ずつ使うとか、月1時間だけ利用するとか、個人の利用の仕方は様々だろうと考えます。

ただ、家事援助社といいますか、代読・代筆支援者といいますか、そうした方の立場を考えるとき、30分だけ月4回来てもらうことは気の毒だと感じます。同行援護に30分プラスして、ちょっとした文書類を読んでもらったり、買ってきた信濃朱分けをしたり、といった利用の仕方も考えられます。もちろん、ガイドヘルパーさんが家事援助の視覚を持っていることが前提ではありますが、まずは同行援護の事業所に問い合わせて該当するヘルパーさんがどのくらいいるのか、確認することも必要です。

(3)対象となる範囲
代読・代筆を可能とする対象は「日常生活上必要とされる範囲」です。したがって、浜視協として考えている、対象となるものの例をいくつか示してみます。
・郵便物全般の代読(手紙の整理も含む)や返信用一筆箋などの記載。
・電化製品などの取扱説明書の代読
・電化製品などの設定の確認
・買い物や食材等のメモの代筆
・ネットショッピング等の自宅で行う買い物代行のためのパソコン操作
・各種書類の確認やファイリング
・保育園や学校との連絡長などの代読・代筆

視覚障害当事者にとっては、品物の賞味期限を見てもらったり、保険書類の確認をしてもらったり、スマホの画面の説明をしてもらったり、と様々なニーズがあると思います。

しかし、家事援助の範囲ですので、サービスの対象外となるものもあることを踏まえてご利用ください。ダメなものの代表的な例は、次のようなものです。

・小説や雑誌の代読等、余暇支援目的の行為
・日常会話として使わない言語(軽易でない外国語等)で書かれているものの代読
・帳簿の作成やエクセルの入力等、ヘルパーに特殊なスキルを必要とする行為
・利用者本人の契約や医療機関等での同意書の代筆
・利用者本人の経済活動や団体活動の運営に関わるもの

浜視協では、医療機関などでの同意書の代筆や団体活動の運営に関わるもの(浜視協・各区の視障協関係など)については、一人暮らしの当事者にとって必要なこととして、これからも改善を要望していきます。私も一人暮らしなので、浜視協や区の視障協などの書類の読み書きには困ることが多いのです。

(4)サービスの利用手続
代読・代筆サービスを受けたい場合、視覚障害当事者が区役所で申請をする必要があります。すでに家事援助を受けている方は、窓口で支援計画を出しなおせば済みます
。計画相談事業所の相談支援専門員に依頼されている方は、その方に申し出れば手続きをしてくれます。今まで障害福祉サービスを受けてこられなかった方については、各区の高齢・障害福祉課に問い合わせて福祉計画を作る手続きをする必要があります

私の経験則ではありますが、区役所の窓口担当の方によって、スムーズに運んだり、やたらと面倒なことを言われたり、「サービスは人なり」とはよく言ったものだと感じますので、必要であることを訴えてサービスの提供を受けてください。いろいろ不都合なことなどがありましたら、地元の区の視覚障碍者福祉協会に相談してみてください。

副会長 大橋 由昌